10月26日(月)より森崎里菜展「dress」が始まった。第二回ヴァニラ大賞で宮田徹也賞を受賞し、現在は大学院で人体彫刻の制作に取り掛かる森崎里菜の作品は多くは、一見してわかるように女性が傷を纏っている。顔面に大きな青痣を残している少女。首元から朽ちていく女性。また、バレリーナの美しい衣装を纏った少女像はその煌びやかなレースの下に、夥しいケロイド上の瑕を覗かせる。新作の中でも、白無垢をまとった花嫁と思しき女性像は、全ての歯が抜かれ、お歯黒の代わりに鮮血が彼女の口内を満たしている。

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 どれも言葉にすると凄惨な限りなのだが、森崎の作品に全く悲壮感は感じない。どの作品も口元は優しく微笑み、美しく自信に満ちている。そう、穏やかに自らの傷を誇っているかのように見える。森崎は大学在学中から、セラミックを使用した作品を制作・現在は大学院にて制作を続けている。今回の出品作は長く制作を続けている『Dress』と『S』いう作品シリーズの新作と、『Broom』と題された新シリーズである。

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●森崎:

傷痕がある女の子像を制作すると、DVや暴力がテーマかと問われる事があるのですが、私は傷自体が美しいものと思って制作をしています。私自身が怪我をすることがとても多くて、火傷のケロイドの痕を見ながら制作したり、ものもらいで目の手術をした時の記憶を思いだしたりしながら制作しています。身体改造も見るのは好きで、過去の『Dress』シリーズの中で、スカリフィケーションをモチーフにした作品も制作していました。広義の意味での身体装飾と、体を傷つけること。それに伴う痛み、そして美しい事とは何だろうかという事をテーマに、作品を制作しています。

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今回の個展では、『Dress』シリーズとは別の新作も2点展示しています。1点は焼き物の特性を生かしたシリーズで、火葬しても(窯の中に入れて焼いても)骨にならない女の子です。逆に火葬をすると、色をまとって綺麗になる作品です。

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もう一つは『Broom』と題したシリーズです。焼き物を制作すると、どうしても窯の中で割れてしまうものがあり、その割れを使用して制作しました。最初から内面が壊れているもの、そこから 現れる美しいものをテーマに制作しています。

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傷を付ける事と着飾る事、それが同義になるのは、唯一無二の存在であるという証を身体上、そして心に欲しているからだろうか。彼女達がとても穏やかに微笑むのが、答えのような気がする。

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展示は10月31日(土)まで。細かなディティールまで作りこまれた作品は、見た目と作品の微笑みにより不思議な空気を醸し出している。是非実際にその目で空間を味わっていただきたい。

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森崎里菜展「dress」

▼10月26日(月)~10月31日(土) 入場無料 ヴァニラ画廊展示室B

唇を強く噛んだとき、瞼の裏を切ったとき、爪が剥がれて落ちるとき 

赤や青で身体を彩ることは、痛みの模倣なのではないか。

 その疑問をテーマに、着飾る様々な少女像を展示いたします。

▼森崎里菜プロフィール

1991年生まれ。武蔵野美術大学卒業。着飾ること、傷つけること、痛いこと、美しいことについて、人体彫刻を制作中。

http://www.vanilla-gallery.com/archives/2015/20151026b.html

【波磨茜也香展覧会特別インタビュー】

ヴァニラ画廊にて2度目の個展を開催する波磨茜也香さんに、制作に関してお聞きいたしました。

 
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ヴァニラスタッフ・田口(以下、VST)今回のタイトルに付いて初めにお聞きできればと思います。「今、事の重大さに気付きました」

何か衝撃的なタイトルですが、個展のタイトルに付けたのは何か切羽詰っていたのでしょうか。

 

波磨(以下、波)

今年の3月に晴れて大学を卒業したのですが、まだ大学在学中にずっと先輩や先生から、

卒業した後の表現を「ほっぽり出される」と言われていたのですが、実感が全く無くて、

いざ自分が卒業してみると、その「ほっぽり出される」感覚が身に染みてわかったんです。

美術大学の特殊な環境や、学生の時は自分は「特別」という感覚があって、

絵を描く事は自信と誇りを持って描いていたんですが、社会に出るとあーただの人なんだなって。まだ卒業して間もないですが...。

その事に気が付きながら、焦りながらも、でも自分は絵を描かないと体が落ち着かないから、描き続けて生きていくわけなんですけれども。

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VST:その事の重大さに気が付いたわけですね。。

(波)気が付きながらも描き続けるのです。絵を描くのは生活の一部なので...。

 

VST:今回の個展では卒業制作から、卒業してからの作品を展示する形ですが、面白いシリーズ揃いですね。

(波)口内炎シリーズが一番新しい作品です。

6月頃にできた口内炎が痛くて痛くて、ちくしょうと思って自分のカメラで接写したんです。(笑)

それをパソコンで加工してみたらすごく綺麗で宇宙みたいだったんです。

 

VST:口内炎がですか(笑)

(波)そう、口内炎がです。自分のインスタグラムに投稿もしましたよ。(笑)

VST:結構な衝撃画像ですよね。

(波)いや、でもこれがweb上で症例写真として、結構画像をアップしている人もいて、人それぞれで面白いのです。

口の中にできるものだから、他人にはその存在はわからないものなのですけれど、それが自分の作品に少し重なるような気がして。

毎日を楽しんでいるように見える可憐な女の子像の中に、色々な痛みとか苦しみとかを内包している感じでしょうか。

私自身も痛みながらも口内炎を楽しんでいる感じでした(笑)

VST:波磨さんの作品の中でも、内面と外面をテーマにした作品は多く見られますね。

(波)このシリーズは作品としては手探りで描きましたが、可憐な女性像の内面というのは、深く掘り下げたいテーマの一つです。

 

VST:他にも今回は色々なシリーズがありますが、波磨さんは色々な画像を収集して、その中の画像からインスパイアされて作品を描く事も多いとお聞きしました。

(波)その収集癖の原点は、思い返せば小学生の頃からなのですが、「モーニング娘。」にはまったのがきっかけでした。

モー娘。に出会うまでは好きなものが周りに言えないくらい恥ずかしがり屋だったのですが、生まれて初めて自ら活動的に、ブロマイドや雑誌の切り抜き、写真集、新聞、漫画の切り抜きまで集め始めました。紙媒体のあらゆるものを集めて、初めてライブにも行って、ダフ屋が販売している公式ではないブロマイドは解像度が粗いとかも知りました(笑)

こんなに輝いていて可愛い女の子たちなのに、内面は外面と比例していないんだと感じたのもその頃です。

モー娘。って色々あったじゃないですか(笑)

 

その後、収集癖は少し収まるのですが、高校に入ってからはネットで画像を集め始めて...

 

VST:ネットの海は広大ですからね(笑)

(波)でもとある時期まではネットで集めた画像も自分でプリントしていたりしていました。(笑)

紙媒体のそこにある実感が嬉しくて収集していたので。

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VST:そうやって集め続けてきた女の子を描き続けているのですね。

(波)ただ、実際に集めた画像を見直すという事は実はあまり無くて、保存ボタンを押す瞬間までが最高に楽しくて、その後はどうでもよくなってしまうのです。だから今では脳内にスクラップしていく感覚ですね。

VST:その広大な脳内スクラップの中からどこかエッセンスを抽出して描く感じでしょうか。

(波)そうですね、そこに自分に起こった事柄も含めて描いていく感じです。

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VST:波磨さんの描く女の子たちは時としてグラビアっぽく感じるのはその収集癖からなのでしょうか。

(波)脳内スクラップからだと、男目線でも女目線でも無くて、集めている時、描いている時も含めて自分は全くの透明人間感覚なんです。

昔は憧れから、女性目線で女の辛さとかも描きこもうとしたこともあったのですが、いざ描いてみると性にあわないし自分にはないかなと。

女の子を描く事は解りやすく言うと、神視点から描いているような感じでしょうか。どこか遠くから見ているような感じです。

 

VST:だからこそ波磨さんの作品には、あっけらかんと突き放したような距離感と、それでいて女の子達のしっかり自立した目線の高さを感じるのかもしれません。

 

この展示にあわせてトークイベントも開催予定ですね。波磨さんのその収集癖の延長線上にあるインスタグラムの使い方を聞いて、都築響一さんが「間違ったインスタグラムの使い方だ!」と。(笑)今回は作品制作における画像収集からトークを広げていきたいとお聞きしました。少しさわりだけ聞かせて頂けますか?

(波)間違っているかな?(笑)インスタグラムは使ってみるととても面白くて...絶対的に笑顔の女の子の写真を追い求めている時に、

その中で、笑顔が群を抜いて可愛い女の子がいて、フォローせずに毎日ずっとハッシュタグを辿って検索掛けたりして

そしたら彼氏が全然格好良くなくて(笑)毎日ストーキングしていると二人の日常が見えてきちゃう。そしてこちらでは脳内スクラップが始まるんです。

VST:間違った使い方です!(笑)

(波)それこそ先ほどのお話と一緒で、神視点で見ている感じです。

でも彼女の高校卒業を境に、彼女のインスタグラムの中から、彼氏の存在がどんどん薄くなっていって、二人の日常と彼女の生活が変わっていってしまうのが怖くて見なくなってしまいました。(笑)

 

VST:そうやって集めた画像がどのような形で制作に繋がるのか、波磨さんのiphone画像を投影しつつお聞きできると。

(波)都築さんがお隣にいて下さるから心強いです!

VST:間違ったインスタグラム講座ですね(笑)しかし、この新作と画像がオーバーラップして制作のお話を聞けるのはとても興味深いです。

(波)是非個展に足をお運び頂ければ幸いです。そしてトークショーも気負わずにお話したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

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'15/7/6 〜 7/18波磨茜也香展「今、事の重大さに気付きました」

 

初個展「私は非常に気分が良いです」を経ても尚、独断と偏見で妄想し制作し続ける波磨茜也香の第二回目の個展。

「学生」という肩書きが無くなって数ヶ月。自分の現状に気付いて無いようでやや気付き始めた波磨の独り善がりで大袈裟な私信。

妄想から生まれた毎日のびのびと健やかに過ごす少女達。

大判の油彩から音楽が聞こえてきそうな豊かなドローイングまで一同に展示をいたします。是非ご堪能下さい。

http://www.vanilla-gallery.com/archives/2015/20150706b.html

 

 

 

展覧会特別トークイベント 波磨茜也香×都築響一

 

「波磨茜也香 今日の一枚 ~毎日誰かに有難う~」

 

7月17日(金)19時〜20時 展覧会室B 入場料1,500円(ワンドリンク付)

定員25名(予約制ではありません。当日お並び頂いた順にご入場頂きます。)

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2015年2月より、ドイツ・ベルリンのギャラリーCELL63にて、 ヴァニラ画廊セレクト作家による展覧会が開催されます!

「Vanilla Essence」

〜現代日本アートのインスピレーション〜
2015年2月14日(土) - 2015年3月29日(日)

CELL63 art platform
www.cell63.com

住所:Allerstr 38 - 12049 Berlin
営業時間:月〜金 11:00 - 18:00 + 予約にて

 

【出展作家】

朝倉景龍/安蘭/カネオヤサチコ/河上ヨシタカ/小山哲夫/作場知生/サエボーグ/真珠子/須川まき子/たま/ぴんから体操/泥方陽菜/福山フキオ/水元正也/宮西計三/森馨

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河上ヨシタカ

 

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作場知生

 

ナタリー・ショウの新作展「Forgotten Heroines」がスタートいたしました。

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自ら撮り下ろした写真 を使用し、CGで制作を行うナタリー・ショウは、古典的なゴシックモチーフを使用しながらも、ともすれば偏りがちな表現になる事が多いこのモチーフを、ま るで生花を生けるように、瑞々しく作品内に展開します。ファッション雑誌や広告のカメラマンとしての仕事を多く手掛けている事が、後退しない鮮やかな現代 ゴシックの形を追求するナタリーの作品の一端を担っている事を感じさせます。

私たちのすぐ隣にいるヒロインたち、「アリ ス」、「サロメ」、「レダ」、「マダムマクベス」、「リリス」や童話、神話、古典の登場人物。彼女達はナタリー ショウの作り上げた衣装を纏い、舞台に立つと、決して表舞台では見せない、秘密めいた表情を浮かべます。ナタリーの若く瑞々しい耽美的感性が、圧倒的で新 しいゴシックビジョンの新たなるヒロイン像を私たちに提示してくれることでしょう。

 

その稀有な世界観を打ち出すナタリー・ショウに、特別にお話を伺いました。

◆今回のタイトルは「Forgotten Heroines」ですが、あなたの作品の女性像は、悲しい運命に身を委ねながらも、力強く凛としたヒロイン像を感じます。このタイトルに込められた意図を教えて下さい。

 

Natalie(以下N) 過去から現在まで、逆境や苦境を通ってきた女性たちの「強さ」「忍耐力」そして「忠誠心」に敬意を表して、この「Forgotten Heroines」というタイトルを付けました。

私は歴史的な服装や、昔のおとぎ話のヒロインたちに、現代的なシンボルやメタファーを結び付け、新たな一面を表現しました。

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(会場内も物語に迷い込んだかのような装飾が施されている/展覧会風景より)

◆ゴシックホラーや童話、神話などがあなたの作品の根幹にあるかと思いますが、その上で日本の目の大きな球体関節人形や、ゴシック&ロリータといった日本的な文化もかすかに感じる事があります。日本の文化から影響を受けたことはありますか?

 

N:はい、私の作品は日本の文化に影響を受けていると言えます。日本のアニメやサブカルチャーと呼ばれるスタイル、たとえばスイートなゴシックロリータなどが本当に好きです。

日本の女の子によるゴシックロリータアイテムは私に「不思議の国のアリス」をとても思い出させてくれます。(今回の展示でもアリスをモチーフにした作品は、ゴシックロリータの格好をしています。)

私はまた、日本とロシアの手作りの人形の大ファンです。

 

◆日本のファンに一言メッセージをお願いします。

N:ヴァニラ画廊での私の展示にお越し頂く全ての方に感謝しています!はるか遠く、地球の反対側の方々にも私の作品をお楽しみ頂けることは、私にとって沢山の意味があり、喜びです。どうぞ楽しんでくださいね。

 

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展覧会は~6月28日まで開催いたします。本邦初公開の最新作も展示販売、新しく制作した画集も販売しております。ナタリー・ショウの悪夢的幻想が濃縮した甘い蜜が滴るような不思議で残酷なおとぎ話。魅惑の世界に是非足をお運び下さい。

会期   ■ 2014年6月16日(月)~6月28日(土) 展覧会期中無休
会場   ■ ヴァニラ画廊 展覧会室A(〒104-0061 東京都中央区銀座8-10-7 東成ビルB2F)
営業時間 ■ 月~木12:00~19:00
       金   12:00~20:00
       土・日12:00~17:00
入場料  ■ 500円 
展覧会URL■ http://www.vanilla-gallery.com/archives/2014/20140616a.html

ナタリーショウ

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リトアニア(ビリニュス)出身。
幼少時よりゴシックホラーや童話、ロシアの古典(ドストエフスキーやゴーゴリ)、そして宗教的な彫像に影響を受けたナタリーのスタイルは、奇怪で不気味で ありながら、甘く密滴るような悪夢的幻想を、デジタルメディアを駆使し作品へと昇華します。 その創造力溢れる世界観は、アメリカ・フランスなど世界各国で注目され、フランスのヴォーグ誌やIsland Def Jam、 Ogilvy & Mather、 Sony BMG、等、音楽レーベルでも活躍しています。2011年にヴァニラ画廊にて日本初個展開催。

2011年にヴァニラ画廊にて展示を行い、斬新でアンダーグランドなレズビアン・シーンを刻み込んだドイツのGoodyn Green(グディーン・グリーン)。アンドロジナスな女性のポートレート、ゲイポルノをオマージュし、性をユーモアで飛び越えていく前作は、多くの女性の心を捉えました。

今回、彼女が新作として発表するのは"The Log Book"と題されたシリーズです。

作品が到着して驚きました。

前作とはがらりと趣が変わり、恋人たちの穏やかで愛おしい時間がそこにはありました。

愛する人がいるならば、必ず共感する部分を感じる事ができるその写真作品。またしても性を軽やかに飛び越えるgoodyn greenの新作を是非ご堪能下さい。

 

"The Log Book"

"The Log Book"は、グディーン・グリーン自身が、被写体となるクィア女性の仮想的な恋人を演じ、その目で見る彼女達と自身との時間をドキュメンタリーのように 撮影した新作シリーズです。

 「この"The Log Book"というタイトルは、ある種のカレンダーのように、モデルたちと私との恋人としての時間・私の(仮想的な)性的体験をリスト化したものを表現して います。

このアイディアは、私たちがよく目にする普通の男性が撮影した恋人の裸の写真(女性像)からインスピレーションを受けました。

女性が「女性の恋人」を撮影した写真はあまり目にすることがありません。私はその視点から新しいシリーズを制作しました。

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私が若いレズビアンだった頃に見たエロティックな写真は、全てストレートの女性を写したもので、私はその写真に満足した事はありませんでした。

モデルがストレートの女性では、その写真に対するエロティックな願望やファンタジーもあまり持つことが出来ません。

 

この体験から、この夢のある仮想ドキュメンタリーの中では、クィア女性を撮ることが私の中でとても重要な点となりました。

クィア女性によるクィア女性のためのこの作品を、全てのクィア女性に捧げたいと思います。

エロティックで甘美な夢をあなたの心にもたらすものであってほしいと願います。」

Goodyn Green

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会期   ■ 2014年6月2日(月)~6月14日(土) 展覧会期中無休

会場   ■ ヴァニラ画廊 展覧会室B(〒104-0061 東京都中央区銀座8-10-7 東成ビルB2F)

営業時間 ■ 月~木12:00~19:00

       金   12:00~20:00

       土・日12:00~17:00

入場料  ■ 500円 同時開催中の「リーランド・ボブ展」もご覧いただけます。

URL    ■ http://www.vanilla-gallery.com/archives/2014/20140602b.html

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白い何かの集合体が、渦を巻くようにレリーフの中に納まっている。
なんとそれは全て親指!

親指をモチーフに制作を続ける伊藤啓恵さんに、制作に付いてお聞きいたしました。

 

VA:伊藤さんの作品制作歴に付いて、教えて頂けますか?

I(伊藤):2004年より親指をテーマに制作しています。
初めは親指の絵を描いていたのですが、粘土などを手でこねる作業が楽しくなり、2008年ぐらいから立体作品を作るようになりました。

VA:(いつも聞かれていると思いますが...)なぜ、親指にこだわり制作されているのでしょうか。

I:私は、愛を親指という形で表現しています。きっかけは、何を描いたらいいのか悩んでいたとき、当時習っていた尊敬するピアノの先生の一言でした。大切な人の一部をパッチワークのようにいっぱい繋げたら面白いかも、そこには愛があるからスゴイ物が出来そうよと。

VA:伊藤さんの中で、「愛」をテーマに作品制作を行い、その形として「好きな人の親指」をモチーフにしているのですね。

I:目でも耳でもなく、指にしようと思いました。指は指でも他の形とは異なる親指を!親指は、1本だけ横についており、私にはちょっと変な形をしているように思います。物をつかんだり、筆で絵を描いたり、かなり重要なポジション。すごく必要な部位。それをテーマにしたら面白いと思い始めました。そんな親指を、たくさん作り作品にし、愛を感じようとしています。

VA:作品の中で、親指が痛めつけられている表現もありますが、なるほどあまり「痛み」を感じないのは、愛おしくて仕方がないといった意味合いでの加虐性を感じるからかもしれません。
ちなみにこの親指は誰かの親指の型どりなのでしょうか。

I:"大切な人" の型どりです。

VA:今回の新作も親指が所狭しと画廊内に並びますね。今回の個展の見所を教えて下さい。

I:最近は、背景にカラーの円をランダムに広げていく感じのものを作っています。円を描いているとなぜか心が落ち着き、無の状態になり、瞑想をしているような心地良い気持ちでずっと円を描いていたくなるのです。円と親指を織り交ぜて、宇宙空間のようなものを表現できたらと思っております。いつも見慣れている親指を、この大量の親指で現実を離れ、異空間の幻想の世界を感じていただけたらうれしいです。

 

愛するものの断片を並べて蒐集したいという、人の心の奥底の願望を炙り出すような、衝撃的な作品の数々。
一見グロテスクで猟奇的とも見えるが、ずらりと並んだ親指を眺めていると、「強迫観念」や「執着」といった感情よりも溢れるような「愛情」を強く感じます。

伊藤啓恵展「親指幻想」は5月19日(月)〜5月31日(土)まで、是非足をお運び下さい。
http://www.vanilla-gallery.com/archives/2014/20140519a.html

 


 

愛を親指という形で表現しています。
その親指を自分だけのものにしたいという思いで、たくさんの親指を作品にしています。
そして、自分の作品を繰り返し触れ、見つめる時、親指のあなたを感じることができるのです。

伊藤啓恵

静岡県浜松市出身
2000年より、はままつ美術研究所にて学び、2004年親指をテーマに制作。

2009 「第1回アートルネッサンスin浜松」出展
(浜松市・UNDERGROUND hair salon)
2009 個展 「Big finger」
(浜松市・passeretti café)
2010 「第2回アートルネッサンスin浜松」出展
(浜松市・UNDERGROUND hair salon)
2010 「第3回HAMAビエンナーレ」出展
(浜松市・クリエート浜松)
2011 「第3回アートルネッサンスin浜松」出展
(浜松市・ビオラ田町)
2012 個展 「SWEET FINGER」
(浜松市・passeretti café)
2012 個展 「収集」
(豊橋市・アートエイジギャラリー)
2012 「第4回アートルネッサンスin浜松」出展
(浜松市・鴨江アートセンター)
2012 「第4回HAMAビエンナーレ」出展
(浜松市・クリエート浜松)
2013 「ヴァニラ画廊公募展」出展
(東京銀座・ヴァニラ画廊)
2013 「第5回アートルネッサンスin浜松」出展
(浜松市・鴨江アートセンター)

3月17日より開催している展覧会、「ヴァニラ画廊大賞展」。ヴァニラ画廊主催の公募に応募し、審査員の目に留まった約40名の作品を発表中です。

審査員は昨年に引き続き、写真家・都築響一氏、美術評論家・宮田徹也氏、そして新たに美術評論家の南嶌宏氏が加わり、より豊かに、鑑賞者を驚愕せしめる未来への才能を厳選いたしました。

溢れんばかりの豊かな想像力と表現力を兼ね備えた作品が集まる中、大賞に輝いたのは波磨茜也香さんの「女学生」です。

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 「女学生」(162×130㎝・キャンバス・油彩・クレヨン)

「塗り残しの画面を放置するかの素振りを見せながら、「女子高生」のメタフォリカルな性器と見立てるかのような、「口」という交 換行為の器官への注視を促すことによって、画面全体に抜き差しならない性的な緊張感を生み出すことに成功している。」(南嶌宏)

「粗暴さがポジティブなエネルギーに転化する、スリリングな瞬間に僕らは立ち会わされている」(都築響一)

「充分な画力を持ち、空虚感が満ち溢れる今日の日本の動向に対して目を向け作品として昇華させる力に、これからもエールを送りたい。」(宮田徹也)

と各審査員を唸らせた彼女に、受賞の喜びを語っていただ」きました。

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この度は「第二回ヴァニラ画廊大賞」にて「女学生」を大賞に選んで頂き有り難う御座います。

初めての100号、初めての公募への挑戦、初めての受賞、、、etc、この「女学生」という作品には様々な「初めて」が込められています。

その「初めて」をヴァニラ画廊さんに捧げられるなんて、大変光栄です。

 とんでもないパワーを日常生活にてさらりと放ち、何食わぬ顔でスタスタと各々の目的地へ向かう彼女達の一瞬を描きました。

 今日も元気に登下校する女学生達を遠目に見ながら、波磨も元気に生きていこうと思います。(波磨茜也香)

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「第二回ヴァニラ画廊大賞」展は29日(土)まで。

100号という大きなスケールの第二回ヴァニラ画廊大賞大賞作品「女学生」を始め、各賞受賞作品等の発表を行っています。

月曜日~木曜日は12:00~19:00、金曜日は12:00~20:00、最終日29日土曜日は12:00~17:00までの営業です。

入場無料、フレッシュな感動にぜひお立合いください。

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♡第二回ヴァニラ画廊大賞展選評はコチラ

♡第二回ヴァニラ画廊大賞展展覧会特設ページはコチラ

 

 

第二回目の開催となる「ヴァニラ画廊大賞」。今年もたくさんの意欲作をご応募頂きました。

審査員は昨年に引き続き、写真家・都築響一氏、美術評論家・宮田 徹也氏、そして新たに美術評論家の南嶌宏氏が加わり、より豊かに、鑑賞者を驚愕せしめる未来への才能を厳選いたしました。

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【大賞】波磨茜也香「女学生」 (162×130㎝・キャンバス・油彩・クレヨン)

今展示では各賞受賞作品に加え、審査員の目にとまった作品の数々を展示いたします。
「アートとは何か!」この命題に対する生々しいまでの表現衝動をぜひご高覧下さい。


ヴァニラ画廊大賞 受賞発表ぺージへはこちらをクリック!

■会場/ヴァニラ画廊 展示室A
    〒104-0061 
    東京都中央区銀座八丁目10番7号 東成ビル地下2F
■会期/2014年3月3 日(月)〜 3月15日(土)(日曜日休廊)
■営業時間/平日     12 時~ 19 時
      金曜 12時~20時 
      土・祝日 12 時~ 17 時

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目を大きく見開く「medusa(メデューサ)

一度、目が合ってしまったならばもう二度とは動けなくなる伝説の怪物が、どうしてもこんなにも柔らかで、そして深い哀しみに包まれた表情を浮かべるのでしょうか。その秘密は製法と川上の「死」に対する特別な衝動に隠されていました。

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川上の今回の出展作品は全て漆で制作されています。漆の像と聞いて、奈良時代の興福寺の阿修羅像や東大寺の不空羂索像を思い浮かべる方も多いはず。川上の作品はこれらの時代の仏像とほぼ同じ乾漆で制作されています。粘土で土台を作った上に漆を浸した麻布を覆い固め、長い時間をかけ乾燥させた後、中の原型を取り去り彩色を施し、作品が完成します。

乾漆造の特徴として金属や粘土が使われないため、非常に軽いことがあげられるでしょう。このことが第一回ヴァニラ画廊大賞奨励賞作品でもある「macabre」(2012年)のように"骨で自立する娘"といった豊かなイマジネーションをかたちにすることができるのです。

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なぜ、ここまで手間や時間をかけた製法で、川上は「死」を具現化するのでしょうか。その衝動ともなる「死のイメージ」への想いを伺いました。

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私が今回の個展で展示したような、「死」を連想する作品を作りだしたのは5年ほど前からです。

それ以前は、同じ漆を用いた制作技法でしたが、現在の作品に比べると、もっと伝統的なスタイルで人間の内面性や精神性を表現していました。

それがなぜ「死」をテーマに作品を作るようになったのか。

 

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 ごく身近な所に生まれた生命が、私に「死」を強く意識させるようになったことが、その理由のひとつ。

もうひとつの理由は、彫刻という物体や、それを形作る物質で生命を表現することに違和感を感じてしまったこと。

 

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私は、これまで私が探求していた人間の表現が偽りに思えてならなくなってしましまい、

「生命表現のない人間の表現」 そして 「死の表現」に人間表現のリアリティを見い出したのです。

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 川上勉展「Sleeping beauty」(展示室A/入場無料)は31日まで。

乾漆造が引き立てる世にも奇妙で、美しく柔らかな死相の娘たちをぜひともご高覧下さいませ。

 

 

川上勉展「Sleeping beauty

「死」のイメージを、思いつくままに造形してみた。

「メメント モリ」を表現しようとした訳ではない。

ただの、物体としての人を表現したかった。

わたしは、命の表現より死の表現に惹かれる。

わたしは「死」を美しく表現したい。

それは、「死」に対する内なる恐怖心の表れかもしれない。

 

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平日の営業は12時から19時まで(金曜日は20時まで)、

最終日は17時までの営業です。

'14/2/17 〜 2/22 彩戸惠理香展「In*e*t」
(展示室B/入場無料)
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「わたしの最初の恋人は、夜になると現れる奇妙な昆虫たちでした。」
http://www.vanilla-gallery.com/archives/2014/20140217b.html
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彩戸惠理香プロフィール

1991年 東京都生まれ。

歌舞伎町でクラブ経営をする母の下で水商売に様々な形で関わる人々を見て育つ。

2010年 都立芸術高校を卒業。2012年 新宿眼科画廊にて初の個展「The red feeling wavers by a pink bubble」を開催。自身の経験をテーマにポルノ雑誌や風俗情報誌を用いた作品を発表。2013年Vanilla maniaにて個展「IMAGO」を開催。蝶の標本を模した繊細な作品を発表した。