安蘭展「Dämonisch」(デモーニッシュ)特別インタビュー

「デモーニッシュとはどんな概念にも、ましてどんな言葉にも捉えきれぬようなものである。『神的』でもなく、『人間的』でもない。そして『悪魔的なもの』でもなく、『天使的なもの』でもない。それは『偶然』と『神の摂理』のようなものであり、無意識の領域に働く捉え難い超人間的・超自然的な力により、悟性や理性では解き明かし得ないもののことであり、我らを支配しているものである」

ゲーテのこの言葉のように、現在ヴァニラ画廊A室で開催中の安蘭展で展示している新作は捉えどころのない、何か不思議な感覚を呼び起こします。

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あるものは幽玄の彼方からちらりと顔を覗かせ、またあるものは自らの変化(これが醜い変化なのか、美しい孵化なのかはわからない。)を誇るような視線でこちらを見据えます。

全ての作品が収められた空間は、作品それぞれが共鳴をしているような感覚を覚えます。

しかしながら「解き明かし得ないものの事」という言葉に対して、新作が光と祈りに満ちている事は確信を持って感じる事ができるでしょう。

 

 

安蘭ミニインタビュー

 

◆絵を描き始めたきっかけなどありますか?

安蘭:小さい頃病弱で、あまり外で遊ぶことが制限されていたので、その代わりに室内でできる遊びとして絵を描いていました。それから大学で本格的に学ぶようになり、

卒業してから発表するようになりました。

 

◆一貫して耽美的な作風ですが、こちらも昔から描いていたのでしょうか。

安蘭:そうですね。小さい頃描いていたお姫様から作風は変わっていませんね()ずっと好きなものを描いてきました。

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安蘭さんが作品を描くにあたって影響を受けた作家さんはいらっしゃいますか?

そうですね...ペンで描くようになったのは、やはりビアズリーの作品の影響が大きいです。

それと大学の頃、友人が学内の図書室で見つけて、私に貸してくれたのが吉田良さんの作品集でした。

それはもう本当に衝撃的で、初めて球体関節人形を見たのですが、それ以来ある一定の期間描くものは球体関節人形ばかりでした。()

(偶然ではありますが、同時期に開催中の展示室Bの愛実さんは吉田先生の生徒さんでありました。)

当時は球体関節人形に関する事も、今のようにすぐに情報を得る事が出来なくて、「マリアの心臓」に行っては人形たちに見入っていました。

この世界が私の中で美しいと認識して、これが表現したいものだと感じました。

美しいだけではない何か、念を感じるというのでしょうか。自分自身が球体関節人形に対峙した時に感じた衝撃のような、言葉には出来ないけれど深く魂を捕えられるような作品を制作したいと強く思いました。

 

◆今回の作品たちは確かに何かオーラを感じますね。

細かな点描を描いている時などは写経しているような心持でした。(

そのような作品を目指しているので、感じて頂けると非常に嬉しいです。

 

今回の展示の見所を教えて下さい。

今回は作品に取り掛かるまで、構想段階がとても長かったのですが、熟考した分それが作品に反映させることが出来たと思います。

今回の作品展から少しづつ新しい表現を取り入れようと思い、色々と挑戦しました。多くの方に足をお運び頂ければ幸いです。

 

安蘭さん、ありがとうございました。

作品それぞれが共鳴し合うような会場にて、待望の新作をご高覧下さい。

 

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展覧会は1010日まで、愛実さんの展示とあわせて見逃せない展覧会です。

'13/9/30 10/10  安蘭展「Dämonisch」(デモーニッシュ)

http://www.vanilla-gallery.com/archives/2013/20130930a.html