2011年5月アーカイブ

ヴァニラ画廊では5月30日より「聖徴・異形美展~頌フリークス降臨~」を開催いたします。
 
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本展覧会は「畸形・フリークスの美しさ」「神聖さ」をテーマとした展覧会です。12名の作家を迎え、平面作品、立体作品ともに充実した内容の展示となっております。どうぞご高覧下さい。
 
◆聖徴・異形美展~頌フリークス降臨~◆
 
http://www.vanilla-gallery.com/archives/2011/20110530.html
 
5月30日(月)~6月11日(土)
入場料500円
平日12時~19時 土曜祝日12時~17時 日曜休廊
※ 6月4日(土)はイベント設営のため16時30分に閉廊。
 
◆参加作家
ウエノシゲユキ 河上ヨシタカ クロ 小山哲生 清水真理 田中流 林アサコ 亡月王 ミヤケ千夏 宮西計三 室井亜砂二 与偶 (五十音順・敬称略)
 
「美は痙攣的なもので あるにちがいない。さもなくば存在しないであろう。」
(アンドレ・ブルトン著『ナジャ』)
 
「美」が我々の心を鷲掴み、琴線を震わせるものだとするならば、美しさは均衡からのみ生まれ出でるものではありません。
偏り、欠落にこそ無限の美の深淵を見てとることもまた、一つの「美」の姿なのです。
 
そしてその深淵に、時に私達は畏怖の念を覚える程の崇高さをも見出します。
彼らの美しい姿を前にして、私達が寄り掛かっていた既存の価値観や秩序は、脆くも崩れ去ってしまうことでしょう。
 
その時、私達は「頌フリークス」へ額衝く者となるのです。
 
畸形を「聖なる徴(しるし)」として捉え表現する、異形の人々へ捧ぐ展覧会。
 
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◆特別イベント 「頌フリークス祭」
6月4日(土) 午後5時開場 
於ヴァニラ画廊 2000円(1D付)
 
☆寺嶋真里監督映像作品上映
『アリスが落ちた穴の中~Dark Märchen Show!! 』【企画】愛知芸術文化センター
『姫ころがし』
☆異形エロススィーツ女体盛り
(るなぱあく†Mari†提供)
 
☆「異形美展」の開催に併せ、特別イベント「頌フリークス祭」を開催!☆
ダークでゴシックな異形美を表現した、寺嶋真里さんの監督映像作品『アリスが落ちた穴の中~Därk Marchen Show!! 』・『姫ころがし』を上映。
更に女体スウィーツ盛りの実演も行います。甘いお菓子で、美女を更に美しい異形の姿へと変貌させましょう…!!
 
 
皆様のお越しをお待ちしております。
ヴァニラ画廊では、来週5月23日より、安蘭・雨宮里江二人展「華蝶月香」を開催いたします。
 
 
◆安蘭・雨宮里江二人展「華蝶月香」◆
 
5月23日~28日 於 ヴァニラ画廊
平日12時~19時 土曜12時~17時
 
 
「月光に浮き出した滑らかな肢体は胡蝶
淫靡な麝香を放つ花弁の眼差し
憂いを帯びたそれは、扉の向こう側への誘い 」
 
二人展告知.jpg 
◆安蘭 プロフィール
耽美作家としてイベント、コンペ出展などの活動を経て近年は展覧会出展にて作品発表を続けている。
2008年
個展『馨香』3月19日〜23日( すみれの天窓)
2009年
『乙女のエロティシズム展〜スウィートセクスアリス〜』(銀座ヴァニラ画廊)
個展『Le poison du velurs〜天鵞絨の毒〜』( ラフォーレ原宿 ATELIER-PIERROT)
『CONDENSED VANILLA〜ヴァニラコレクション展〜』(銀座ヴァニラ画廊)
2010年
『シドニーマルディグラ』( オーストラリア Tom Dunne Gallery)
『オルタナティブ・ゴシック展』(銀座ヴァニラ画廊)
『オカシナイエ2〜不思議の国〜』(道ばたカフェーあかずの間)
『CONDENSED VANILLA〜ヴァニラコレクション展』(銀座ヴァニラ画廊)
その他、個人依頼制作やブランドコラボ商品発表等。
また雑誌、書籍、その他媒体にてモデルとしても表現活動をしている。
 
◆雨宮里江 プロフィール
1982年神奈川県川崎市生まれ
セルフポートレートを中心にした作品を2001年から都内、銀座などで展覧会を開催。
現在は海外にも活動を広げる。
受賞歴
1999年 世界エイズポスターコンテスト最優秀賞
(ラジオ日本出演、神奈川新聞掲載)
2002年 エプソンカラーイメージングコンテスト/審査員賞(森村泰昌賞)
2009年 OzzOnJapanファッションフォトコンテスト最優秀賞
 
 
皆様のお越しをお待ちしております。
 
ヴァニラ画廊では5月16日より水元正也展「青ざめた白い鳥」を開催いたします。
 
http://www.vanilla-gallery.com/archives/2011/20110516.html
 
サイト用画像 水元 3.jpg
 
 
■5月16日~21日
平日12時~19時 土曜12時~17時
 
「さて日常は、何事もなく、何も変りなく、僕らの上を過ぎ去ってゆく。変わってゆくのは僕たちだ」
天竺浪人『飼い主の責任』
 
 私の絵を見たくない、嫌いだという人はそれで構わない。しかし、ほんの少しでいい。その理由を考えてみてほしい。自分が何から目を背けているのか。それに気づくきっかけになれば十分だ。
 何かを「美しい」、あるいは「エロティック」だと感じるとき、自分自身に聞いてみてほしい。それは本当にあなた自身の素直な感情か?もしかしたら、誰かにそう教えられ、それを疑うことなく信じているだけなのではないか? 
 私が描くのはいつも「普通の人々」だ。特別な世界の住人ではない。それはあなた自身の姿かもしれない。
 
 「良薬は口に苦し」という。しかし気をつけなければならない。毒薬もまた苦いものだ。
 
 
水元正也/プロフィール
1984年 愛知県生まれ
2007年 名古屋造形大学美術学科卒業
2009年 個展「子供たちは森に消えた」(ヴァニラ画廊/銀座)
2010年 個展「王子様の口づけは、まだかしら」(ヴァニラ画廊/銀座)
 
 
今回の個展に併せて、画報には水元さんの特別インタビュー記事を掲載しております。
 
 
緻密で精巧な鉛筆画によって表現された、静かで美しい、しかしどこか不穏ささえ感じさせるフェティシズムの姿を、どうぞご高覧下さいませ。
 
皆様のお越しをお待ちしております。

 

ヴァニラ画廊での3度目の個展を開催する水元正也・展示を経るごとに、一段とその世界観に驚かされます。

深い水底のように穏やかでありながら、不穏な波紋を感じるフェティシズムを描きこんだ作品群。

その創作にまつわるお話を氏から伺いました。サイト用 水元.jpg

 

  水元さんの個展のタイトルは毎回興味深いですね。今回はあのチルチルミチルの
水元(以下・水):そうですね。「青い鳥」をもじったものです。

  水元さんの独特のアイロニーが感じられるタイトルですね。童話などはよく読まれていたのですか?
水:タイトルにそんなに深い意味はないですが、童話はいつもきれいごとで終わるのが嫌いなだけでひねくれたガキだったんですね。粗探しをするのが好きで。

水元さんの言葉のセンスが感じられます。作品のタイトルもとても面白いものが多くて
水:絵は完成してからタイトルを考えます。言葉から発想して絵を描くことは無いですね。
ある程度作品が完成してから、候補を決めてタイトルを決めていきます。
個展のタイトルの場合は、言葉の意味合いよりは音の響きで考えています。読んでいて音として心地よかったり、逆に引っかかったりというものの中から考えています。

  今回DMを拝見して思ったのは、昔より作品が穏やかになったような気がしますが、不穏度が増している印象を受けます。
水:そうですね。以前はぱっと見た感じのインパクトを追求していましたが、それよりは一見普通に見えて、よく見るとどこかあれ?というというものが好みになってきました。私はモデルさんの写真を撮ることから作品制作が始まるのですが、はじめにサンプルを用意して、モデルさんにこれならできるというものを選んでもらいます。無理に要求はしませんが、たまにノリでやってくれる人はいます。枚数をとってこれというものを選び、制作を行います。

  写真を絵にする時に、変えたりする部分はあるのでしょうか。
水:多少デフォルメしたりしますが、そんなに激しく変えたりはせず微調整程度です。
こちらがやらなくとも、モデルさんがデフォルメしてくれるので。笑

変えるとしたら指の角度や髪のかかり方とか小さな事です。

  今回の個展はどのくらい新作を予定していますか?
水:展示全ては作品を24点を予定しています。その内17点は新作です。
単純に言うと新作は旧作と比べると技術があがったと感じます。そして内容も前より痛々しい感じはなくなりました。今回は女性の顔メインです。1点顔じゃないのがありますが。自分でも毎回新作は悩んで製作しています。以前は顔全体が変形しているのが好きだったんですが、どんどん自分の好きなポイントが変化していてピンポイントで鼻の穴だけとか、歯並びとか、舌の裏がわとか、守備範囲が広がっているのか狭まっているのか。笑

  モデルさんによって描きたい部位は変わりますか?
水:それはあります。よく言われるのがどうせ変形させるならモデルなんて誰でもいいでしょと。それは本当につまらなくて、是非この人にこのポーズを、というものでなければここまで描きこめないと思います。この間もモデルさんにきれいな鼻の穴をしていますねと言ったら、「どこ見ているんですか!」と。笑 描きたい場所でした。今描いてて一番楽しいのは歯ですね。ただとても難しいです。参考にと色々な絵を見るのですが、中々うまい具合に歯を描いている画家を探すのは難しいです。

  日本は歯並びに関しては寛容な国だと思うのですが、どのような歯並びが一番好みですか?笑
水:基本的には全部好きですが、一番好きなのはぴったり綺麗に並んでいる歯並びですね。
でもそこまで綺麗だと別に絵に書く必要はないかなと思いますが

  今回作品の中でこだわった部分はありますか?
水:はい。今回は髪の毛にこだわりました。わりと今まではざっと面取りでやっていたのですが、今は一本一本描いています。描いていてとても楽しいです。終わるまで時間もかかりますし、絵全体のバランスも見て描かなくてはいけなのですが

こだわりの対象、フェティシズムは変化していますか?
水:今まで好きだったものはずっと変らないと思いますが、今まで気にも留めてなかった部分が好きになるということはあります。今は歯磨きをしている女性がすごく気になります。でも中々歯磨きしてくれと頼み辛くて

やはり口に関わってくる部分ですね。
水:でも自分のフェティシズムとしては顔は2番目で、1番目は足ですね。ただ足を描くと主観が入りすぎて、あまりに素の自分が出すぎてしまって、人様にさらせないです。笑
それがあるのでしっかりと作品としては残していないのですが、落書き程度ですね。

足のどの部分が一番こだわりポイントですか?
水:一番好きなのは指の付け根の関節部分のへこんでいる所


サイト用画像 水元2.jpg


  鉛筆にこだわって描いている理由はありますか?
水:もともとモノクロが好きというのもあるのですが、僕の大学の先生の作品が油絵なのですが、ずっと灰色で描いていて。その絵がとても好きで、その影響が強いです。
鉛筆自体は制作を始めた頃は全く使っていなくて、もともとは油絵を描いていたのですが、どうにもうまく使いこなせなくて、絵を描くのが嫌になった時期がありました。半年ぐらい何にも描けなくて、ただグループ展が決まっていた時期で、何か描かなくてはと焦っていた時期に、一からやり直そうと思って鉛筆を使い出しました。それがこんなに長く続くとは自分でも思ってみなかった事です。結局鉛筆を使って制作をしている期間のほうが長くなってしまいました。

影響を受けた方はいらっしゃいますか?
水:一番は鴨居玲ですね。他にはフランシスベーコンやギーガー、べクシンスキー、ラインハルト・サビエ、鉛筆画の林良文さんも大好きです。

  水元さんの昔の作品に比べて画面の中の陰影がより鮮烈になっているような気がします。
水:否、鉛筆を使い始めた頃はもっと真っ黒だったんです。その中からハイライトで人物を浮かび上がらせるような作品でした。その後どんどん全体像を描きこむようになって、今はまた陰影の部分をより濃く描くようになりました。

  どんどん細部まで描きこむ作品が増えていますね。一枚どのくらいで描き上げるのでしょうか。
水:早くて2ヶ月から3ヶ月かかります。数枚を同時進行で描いています。完成したものを寝かせて、その後客観的に見ておかしいところがあれば修正を加えます。

  完成作品は人物像の上にひび割れや斜線が入っていたり、完成作品の上から何か技法を加えるというのが多く見られますね。
水:ほぼその技法を施す瞬間のために絵を描いてます。あの瞬間のドキドキ感は他には味わえません。うまくいけば自分が思っている以上の良い効果を得られるし、だめだったら自分が今まで描いていたものが全て台無しになるリスクの高さその瞬間にサドとマゾの気分が同時に味わえるという笑。今まで自分がやってきたものを壊すという攻撃的な気持ちと、むちゃくちゃにされてしまうのではという恐怖!笑

それを経て描きあがった作品が今回揃うわけですね。ますます新作を拝見するのが楽しみです。

いよいよ516()から展覧会がスタート致します。その深遠なるフェティシズムの底を、是非ご高覧下さい。サイト用画像 水元 3.jpg