2011年3月アーカイブ


◆「お嬢様学校少女部 卒業記念式典」◆
 
http://www.vanilla-gallery.com/archives/2011/20110404.html
 
■4月4日(月)~4月9日(土) 入場料500円 入場者にはノベルティをプレゼント★
 
■『お嬢様学校卒業記念アルバム』(税別2800円/発行アトリエサード/販売書苑新社)
会場にて購入のお客様には特別ノベルティをプレゼント★
 
■特別イベント「卒業記念式典 謝恩会」
4月8日(金) 午後7時開場 1500円(1D付)
・生徒による校歌斉唱
・トークショー「少女寫眞のフェティシズム」ゲスト:飯沢耕太郎
※イベント終了後、サイン会有!
 
黒髪の少女のみ入学できる架空の学校、「お嬢様学校」。
写生大会、身体測定、水族館遠足、文化祭、卒業旅行などの行事を約一年かけて記録した写真集「卒業アルバム」の発売を記念して写真展「お嬢様学校卒業記念式典」を行います。
今展示では「お嬢様学校」の一年間の学校行事写真を全て展示致します。
お揃いの制服、校章、靴下留めをつけた少女たちが遊ぶさまを是非、見にいらしてください。
会場では写真集「卒業アルバム」も販売致します。
 
 
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■スタッフコラム■
 
「少女」という虚像
 
―「返らぬ少女の日の ゆめに咲きし花の かずかずを いとしき君達へ おくる」―
(吉屋信子『花物語』)
 
今回展示される「お嬢様学校」の写真作品はどれも、どこか静謐な印象を与える。作品を通して少女達の話し声や物音といった生々しい躍動が伝わってくるというよりも、真空の中で無音の内に遊ぶ少女達の残像、或いは丁寧に作られた少女達の標本―そのような静まった印象を与えるように思う。
それは彼女達が「架空」の存在だからなのだろう。
彼女達は誰も経験しえなかった、しかし誰もがどこかで共有している「少女」という存在の一種の虚像であり、大人に成る前の危うく脆い半透明な心の具象化である。
黒髪の決まったパターンの髪型に、揃いの制服、白い靴下…
彼女達は、「少女」というフィクションそのものなのだ。
そこには現実世界の幻滅するような猥雑さや残酷な時の流れは無く、私達が夢に見、焦がれる、イノセンスと強かさ、純潔と色香の混じり合った「少女」という妄想がそのままフォルムを持って存在している。
それは「少女性」へのフェティシズムである。
架空の返らぬ日々への奇妙なノスタルジイ、焦燥、憧憬、欲望―
「少女」という純度100%の妄想を孕んで、彼女達は写真の中で、虚構の学園に遊び戯れている。
 
―「大人になっては嫌、大人になってはいけません」―
(吉屋信子『花物語』)
 
画廊スタッフ 伊藤
 
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「菫たちの慎ましい加護のもとに、

私は物言わぬため息と苦悩を置きましょう。

それは今宵私について離れないもの。

このあまりにも美しい宵に!」



(中島淑恵訳 ルネ・ヴィヴィアン「菫への祈り」より)




 19世紀末から20世紀初頭にかけての西欧の文芸では、「デカダンス」と呼ばれる傾向が流行し、虚無的・耽美的・病的なものを好む風潮が盛んであった。かのボードレールやユイスマンス、ワイルド等が活躍した頃でもある。
 そしてベル・エポックのパリに生きた詩人、ルネ・ヴィヴィアンもまた、その時代の芸術を担った一人である。



 ルネ・ヴィヴィアンが同性愛を嗜好する者であったということは、彼女の詩の退廃的な魅力を語るためのひとつの重要な要素であろう。
 彼女の詩に薫るそのレスボスの愛の姿は、情熱的な恋愛であったり、めくるめくような肉体の官能を湛えたものではない。それは常にかそけきものであり、沈黙するものであり、失われゆくものであり、倦怠のうちに追想されるものである。
 はち切れんばかりに躍動する生の朗々とした明るさに異性愛が準えられるのならば、それとは裏腹に、厭世・諦念・崩壊への誘い・孤独といったものの甘美な魅力と、同性愛の情緒が重ねられる傾向もあったのではないだろうか。
 そのようなレスボスの愛の麗しい退廃の魅力と、時代のデカダンスなムードが絡み合い、ヴィヴィアンは世紀末の芸術を彩るミューズと成ったのであろう。

(これは同性愛を「異常」「異端」と見なすということではない。また、私見であるが、現世の秩序からの一種の逸脱と同性愛を結び付けて高い精神性を見出す傾向は、日本の江戸時代の男色に関するひとつの傾向性とも似通ったものを感じる。)


 咲き誇る大輪の薔薇の花、芳しい香りを惜しげもなく振りまき綻びる気高き百合の花。

 それらの瑞々しい花弁に見る、燃える様な情熱や華々しい享楽はしかし、時に私達を疲れさせる。
 退廃と憂鬱の美学を知った詩人、ルネ・ヴィヴィアンは、その美学に相応しい花として、菫を選んだ。
 きらびやかな魅力は無いが、慎ましく静かに咲く、可憐な花である。
 彼女はその小さな花に、かつての情熱の亡骸と、安らかな倦怠の眠りを見たのであろう。

 そこには冷ややかに翳る、硬質なエロティシズムが漂っている。

 

sumiregahou.jpg今回ヴァニラ画廊に集った九人の女性作家達は、ヴィヴィアンの姉妹としてその美学を作品に表現している。

 菫色のカーテンが垂らされ、美しい調度品が置かれた画廊の内部はさしずめ19世紀末のサロンと云ったところか。
 絹糸が紡ぐ麗人の遺髪の三つ編み、美しい言葉の響きを其のまま形にした様なカリグラフィ、どこか切ない面影を感じさせる染め花のコサージュ、様々な情感を描いた絵画、繊細な表情を浮かべる人形…
 年代物の蓄音器が奏でる哀愁を帯びた音楽に耳を傾けつつ、このサロンに寄せられた麗しい美術作品を、じっくりとお愉しみ頂きたい。

 作家達が丹精を込めた様々の作品、それらが展示され装飾された小部屋、そしてそこを訪れて来て下さる皆様の存在、それら全てが絡まりあってルネ・ヴィヴィアンの甘やかな退廃の世界を追想させること、それこそが麗しき「菫色の文法」であると、私は考えている。


(画廊スタッフ・伊藤)

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◆《菫色の文法》展 vol.1 ~ルネ・ヴィヴィアンの寢臺~◆


■3月21日(月・祝)~4月2日(土) ※日曜も営業致します。

■参加作家
★ゲスト・アーティスト
浅野勝美(鉛筆画)
佐分利史子(カリグラフィ)
須川まきこ(ペン画)
染め花 Horry(コサージュ)
鳥居椿(水彩画)
横井まい子(油絵)
★菫リボン会メンバー
古川沙織(ペン画)
森馨(人形)
ミストレス・ノール(服飾・オブジェ)


http://www.vanilla-gallery.com/archives/2011/20110321.html


★『アンソロジー《菫色の文法》第一集~ルネ・ヴィヴィアンの寢臺~』

同時刊行!
ルネ・ヴィヴィアン研究の第一人者、中島淑恵氏によるヴィヴィアン訳詩集(本邦初訳含む)、『レスボスの女王──誘惑者ナタリー・バーネイの肖像』(国書刊行会)の翻訳で知られる小早川捷子氏によるエッセイなどを収録、《菫色の文法》展カタログも兼ねた箱入りのアートブックです


★《菫色に囁くちひさな朗読会》
3月26日(土)14時~ 入場無料

詩の朗読と蓄音機の奏でる音楽の午後、ベル・エポックの退廃を追想するささやかな会です  *展示は通常通りご覧頂けます

★《菫色の名曲室》
平日17時~19時

レイナルド・アーンを中心とした往年の仏蘭西歌曲、ルネ・ヴィヴィアンの恋人ナタリー・バーネイのサロンでも演奏したランドフスカ夫人の貴重な音源などを蓄音機にてご鑑賞頂けます  *展示は通常通りご覧頂けます


★《菫色のしずく》
19時~23時半・日祝定休

画廊直営バー「ヴァニラマニア」にてオリジナル菫カクテルを提供します


皆様のご来場をお待ちしております。


 

ヴァニラ画廊では、321日より、「《菫色の文法》展 vol.1 〜ルネ・ヴィヴィアンの寢臺〜」を開催しております。

http://www.vanilla-gallery.com/archives/2011/20110321.html
http://sumireiromauve.blog71.fc2.com/


《菫色の文法》展 vol.1 〜ルネ・ヴィヴィアンの寢臺〜
◆3
21日~42日 ※327()も営業いたします。

菫の作家九人が丹精した作品群が揃っております。会場は毎日蓄音機の音色が流れる麗しき小部屋に。

★『アンソロジー《菫色の文法》第一集〜ルネ・ヴィヴィアンの寢臺〜』も同時刊行!
ルネ・ヴィヴィアン研究の第一人者、中島淑恵氏によるヴィヴィアン訳詩集(本邦初訳含む)、『レスボスの女王──誘惑者ナタリー・バーネイの肖像』(国書刊行会)の翻訳で知られる小早川捷子氏によるエッセイなどを収録、《菫色の文法》展カタログも兼ねた箱入りのアートブックです

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ベル・エポックの巴里に生き、「菫のミューズ」といわれた夭折の詩人ルネ・ヴィヴィアン。その詩風と性向(同性愛)から「ボードレールの娘」「1900年のサッフォー」とも呼ばれ、死と孤独を冷徹にみつめた蒼ざめた詩を遺しました。
存在の翳なるものに痛々しいまでに向き合ったヴィヴィアンのポエジーを、九人の女性作家がヴィヴィアンの姉妹として多彩に描き出します。

 

[参加作家]
★ゲスト・アーティスト
浅野勝美(鉛筆画)
佐分利史子(カリグラフィ)
須川まきこ(ペン画)
染め花 Horry(コサージュ)
鳥居椿(水彩画)
横井まい子(油絵)
★菫リボン会メンバー
古川沙織(ペン画)
森馨(人形)
ミストレス・ノール(服飾・オブジェ)

 

 

 

★《菫色に囁くちひさな朗読会》
3
26日(土)14時〜 入場無料
詩の朗読と蓄音機の奏でる音楽の午後、ベル・エポックの退廃を追想するささやかな会です
*展示は通常通りご覧頂けます

 

★《菫色の名曲室》
平日17時〜19
レイナルド・アーンを中心とした往年の仏蘭西歌曲、ルネ・ヴィヴィアンの恋人ナタリー・バーネイのサロンでも演奏したランドフスカ夫人の貴重な音源などを蓄音機にてご鑑賞頂けます
*展示は通常通りご覧頂けます

 

★《菫色のしずく》
19
時〜23時半・日祝定休
画廊直営バー「ヴァニラマニア」にてオリジナル菫カクテルを提供します

《菫色の文法》展は九人の女性作家による
美術展です
今後も魅惑的なテーマを取り上げヴァニラ画廊にて定期開催してゆきます

 

 只今ヴァニラ画廊では、イタリアの映画監督・詩人・小説家のピエル・パオロ・パゾリーニに捧ぐオマージュ展示を開催しております。

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初日のオープニングパーティーでは、出品作家さんが語らう中、みすず書房よりパゾリーニ詩集を発売した四方田犬彦氏によるパゾリーニの詩の朗読が行われ、華やかな初日となりました。

「ぼくはさまざまな情熱を生きたが、それを知る者は少ないと知った」 (ピエル・パオロ・パゾリーニ)

その情熱を受け、13名の作家が紡ぎだすパゾリーニへの熱きオマージュ作品を、是非ご高覧下さい。

 

パゾリーニ・オマージュ【ピエル・パオロ・パゾリーニに捧ぐ】
パゾリーニ詩集発刊記念特別展示

3月7日()~3月19日()
入場料500円
参加作家
稲垣征次・宇野亜喜良・奥津直道・加瀬世市・かふお・カネオヤサチコ・キジメッカ・熊谷蘭治・田亀源五郎・照沼ファリーザ・林良文・宮西計三・森栄喜

特別イベント:パゾリーニ「詩と真実」
パゾリーニによる詩の朗読テープ公開
トーク:四方田犬彦
3/12
日(土)17時開場 入場料2,000円(1D付)

今イベントは先着順のご案内となります。予約制ではございませんので、会場外にお並び頂いた順にご案内となります。
イベント開場時間は17時となります。(12日の通常営業はイベント設営の為、12001630までとなっております。)
ご案内人数に限りがございます。早めのご来場をお勧め致しますが、定員に達した場合や、イベントが始まってからはご入場頂けない場合がございますので、予めご了承ください。

イタリアの映画監督・詩人・小説家のピエル・パオロ・パゾリーニ(1922-1975)。彼の荒々しいヴァイオレンス的要素と、過激なエロティシズム表現に政治的ラジカリズムを注入した芸術創作活動と生き方は、圧倒的なカリスマ性から死後35年が経った現在でも、人々の心を捉え続けています。映画監督として、性と政治、神聖と汚穢の両極を往復する映像美とスキャンダルで1960年代のアートシーンに大きな衝撃を与えたことはよく知られておりますが、アルベルト・モラヴィアに「今世紀後半のイタリアにおける最大の詩人」と賛辞された優れた詩人でもありました。

そのパゾリーニへのオマージュを個性豊かな13名の作家が表現致します。パゾリーニに捧ぐ、ロマンティックでスキャンダラスなオマージュ展をどうぞお楽しみ下さい。パゾリーニ画報2.jpg

直接の生【四方田犬彦】
「ぼくはさまざまな情熱を生きたが、それを知る者は少ないと知った」

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歳にて非業の死を遂げたパゾリーニは、単に『アポロンの地獄』や『ソドムの市』の映画監督だけではなかった。生涯に32の訴訟を生き、ときに獄舎に下ることも怖れなかった戦闘的知識人であり、超一級のスキャンダルメーカーであった。そして20世紀イタリアを代表する詩人の一人でもあった。倒錯と異端、絶望と涜神の間を往復したこの「直接の生」の詩的全体像が、今ようやく日本語で紹介されようとしている。