2021年3月9日(火) 本日の営業時間 12:00 - 19:00 【展示室A&B】 カネコアツシトリビュート展「LOCO! LOCO! LOCO!」

'07/7/3 ~ 7/12 斎藤芳樹写真展 「AKECHI」—追悼・明智伝鬼

◆7月7日(土)15時〜17時トークショー/入場料1000円:1ドリンク付/ゲスト:飯沢耕太郎(写真評論家):京城夢路

『AKECHI』に寄せて
飯沢耕太郎(写真評論家)

 斎藤芳樹と最初に会ったのは、もう3年前くらいになるだろうか。その時「こんな写真集を作りたいんだ」と見せてもらったのが、縄師、明智伝鬼を撮り下ろしたシリーズだった。一目見て、これは普通のSMボンデージ写真とは違うと感じた。  たしかに縛り、縛られるという関係は普通の状態ではない。おどろおどろしい伝奇的な世界を想像される方も多いだろう。だが、斎藤が撮影した明智の縄のセッションを見ていると、ここには信頼感で結ばれた男女の普遍的な関係が写りこんでいるように感じる。しかも、最終的にできあがってくる縄目の重なり具合が本当に美しい。女性の身体に密んでいた極限の美がそこに見事に表現されているのだ。  明智伝鬼は心臓疾患を抱えながら精力的に活動を続け、2005年7月17日に亡くなった。死後2年余りの間に、既に彼の存在は伝説になろうとしている。だが、彼が本当に何を求めていたのか、何を思って縄の世界に没頭していったのか、まだ謎の部分が多いのではないだろうか。  斎藤のこの写真集は、明智伝鬼という稀代の縄師の生前の姿を留める貴重な記録であるとともに、写真家が素晴らしい被写体に出会った時の歓びにあふれる、奇跡的な映像群といえるだろう。ぜひSMや縛りなどにまったく興味のない「普通の」人に見ていただきたい。「目から鱗」、もしかすると人生観が変わるかもしれない。

斎藤芳樹写真展 「AKECHI」—追悼・明智伝鬼

斎藤芳樹 Yoshiki Saito / プロフィール

  • 1949年福島県に生まれる。
  • 1995年 Morphe’95、「grass」AKI-EX LOUNGE
  • 1996年 「聲OTOZURE」AKI-EX Gallery
  • 1997年 3人の写真家展「SNS」AKI-EX Gallery
  • 1998年「静物のメランコリア1」Art Space MIRAGE
  • 1998年 「ROOM」HOKARI Fine Art Gallery
  • 2000年 Morphe 2000、写真展「ROOM #2」IDEE SHOP
  • 2000年 「ゲストハウス」AKI-EX Gallery

明智伝鬼 Denki Akechi

東京都出身。都営荒川線の沿線にて生を受ける。小学校三年の時、雑誌「奇譚クラブ」に出会い、緊縛された女性の美しさに魅せられる。持病の心臓疾患を持ちつつも、精力的に活動を開始。 70年代後半から縄師として活動していく。80年代のAV興隆期には、メディアに多数出演し広く知られるようになる。90年代に入り、写真集、Vシネマ、TVなどに縄師として多数出演。98年日本文化デザイン会議、オランダツアー。 99年ヨーロッパツアーと国内外にて活躍。2005年7月17日。永眠。

【写真集情報】

伝説の縄師 明智伝鬼 晩年の縄の世界を映し出した最初で最後の写真集 『AKECHI(アケチ)』

新風舎/A4横/上製/ 128頁/予価3990円/会期中にヴァニラ画廊にて先行販売します。

蛇のように女性の肉体に絡み付いていく縄に、カメラが追いついていく様を、 2001年から2003年まで、7回のセッションに分けたドキュメンタリー。いままでのボンデージ写真集とは違い、本来黒子であるはずの縄師が被写体として写っている。セッションを追うごとに、縄師の縄と女性と写真家の3者の距離間が近づいていき、まるで即興の音楽を演奏しているかのような凄みを感じさせる写真集。