一作目「沙和子」から三年がたち、第二弾の写真集『沙和子 無償の愛』を発表したクロダミサトさん。

彼女の撮る写真は、日常的な自然の光が印象的でありながら女性の持つ透明感のあるエロスが表現されている。

今回の『沙和子 無償の愛』を発表するまでどのように写真に向き合ってきたかをインタビュー致しました。

 

■写真を始めたきっかけは何ですか?

私は小さな頃から絵を描くのが凄く好きで、
小学校3年生の頃から将来は絵とか美術の方向に行こうって決めていました。
その想いは中学校、高校に行っても変わらず、
私は高校に入ってから美大に行くための美術予備校に通い始めました。
色んなことに興味を持っていた私は、高校でも何かの部活に入ろうと考えました。
でも絵は予備校で毎日の様に描いていたので、
美術関係で美術部以外のものが良いな...と考え、高校の写真部に入ったのです。
初めてカメラを手にして、暗室について学んだのも、この高校の写真部でした。
でも結局予備校に通うのが忙しくて、写真はそんなに撮ってなかったです。
そして大学受験で第一志望の国公立の美大に落ちてしまい、
通うことになったのが、京都造形芸術大学の写真コースでした。
京都造形を第二希望として受験した理由は
「受験の試験内容が面白そうだったから」ただそれだけなんです。
なので、写真をやる気が全くなかったので、入ってからも全然写真を撮らず、
絵ばっかり描いていました。
ちゃんとやるようになったのは、大学二回(二年)生からです。

■写真を大学二回(二年)からちゃんとやる様になったきっかけは何だったんでしょう?

大学に入学すると課題が出るんですよね。
凄く当たり前のことを言いますが、私は写真コースなので、出てくる課題は写真の課題が多いのです。
例えば「過去をテーマに写真作品を出しなさい。サイズは六つ切り以上。」とか、
1年生の頃は記述の勉強も兼ねているので、モノクロやカラー、フィルムも指定されて課題が出るのです。
私は絵も描けるし、版画も染色も何でもやるので、
「過去をテーマに作品を作りなさい。」って課題が出てば良いのに、ってずっと思っていました。
そしたら作りたいものが何でも作れるのにって。
でも課題はやっぱり写真の課題なんです。
そこで変にひねくれるよりも、この四年間は、精一杯写真の勉強をして、
大学院では違うこと(デザインの勉強)をしたら良いんじゃないかな...って考える様になりました。
ひねくれて無理やり写真以外のことをやってたけど、
その変な意地を捨ててしまえば、今自分の置かれている状況は写真を勉強しようと思ったら、
写真を勉強するには、凄く適している場所だと気付いたいのです。
写真コースだったんで当たり前なんですけど。笑
また写真で勉強する構図のことや色の勉強はいつか自分のやりたいことに生きてくる、
という確信がありました。
どんなことでも「作る大切さ」 と「美しさ」同じです。

■最初に使用したカメラはなんですか?

初めて使用したカメラはNIKON FEです。
写真部に入った時に、父親から貰ったものです。
その時まで知らなかったのですが、
父親は若かりし頃、カメラが趣味で何台か持っていたみたいです。
そのうちの一台(NIKON FE)を私にくれました。

■それは思い出深いカメラですね。お父様からのプレゼントされたカメラは今でも使用しているんですか?

今でもこのカメラをメインにしようしています。
東京に上京して直ぐに父親からPENTAX 67Ⅱというカメラも貰い、
それも凄く大切に使っています。


京都の大学を出られた後にまた東京の大学に入られてますが、それはなぜですか?

大学に入り直したと言うより、大学院を外部受験したのです。
大学院に進学することは、実は大学に入学した大学一年生の頃から決めていました。
なんせ9歳の頃から、ずっと美術の勉強がしたかったので、
大学に入った時は「これでやっと本格的な美術の勉強が出来る」って大興奮でした。
その約10年に及ぶ気持ちが大爆発したので、
やっと美術の勉強が出来るようになったんだから、4年じゃ足りない。
絶対大学院も含めて6年は勉強しようと。
あと私はやはり写真がやりたかった訳ではないのに、
写真の勉強を4年間することになってしまった、
なので、大学院では違うこと(デザインの勉強)をしたいって気持ちも強かったです。
大学院を通ってた大学の別のところを選んだ理由は、
単純にこの大学て学べることは、
四年間で学んで他の環境に行って勉強した方がより多くのことを学べるからってだけです。
京都から東京に行ったことも同じ理由で、
京都(関西)にいながら作品を作ることや、
京都の中での美術の動き、文化は出来る限り大学四年間で学んで、
東京で作品を作っていくってことは、どういうことか知りたかった。
この気持は強くて、毒を吐くようなことを言うと
同じ大学の大学院に進学するって人を見ると、
なんでその六年間で学ぶことを四年間で頑張って学ばなかったんだろう?って思いますね。

■実際、東京での作品制作は京都とは違いましたか?

私は作品を作り始めた場所が京都だったことは、本当に良かったなと思っていて、
その理由は貸しギャラリーの文化が京都に強くあるのです。
例えば東京だと、大きな美術館も多いし、大手(コマーシャル)ギャラリーが多いので、
展覧会を見に行こうってなった時に、貸しギャラリーを選ぶ人ってそんなに多くないと思うんですよ。
その貸しギャラリーに付いているファンもいると思うので、一概には言えないのですが...。

でも京都は貸しギャラリーで有名なところも多かったのです。
例えば同時代ギャラリー、ギャラリーマロニエ、PRINZなど。

また東京で貸しギャラリーを借りようと思うと、結構な金額がかかりますが、
京都は(東京に比べると)かなり安い価格で借りれるんですよね。

なので無名な学生でも動けば人に作品を見て貰える機会が多かったです。
このこともあり、私は大学に入学して直ぐに「年間5回は展覧会をする」って決めて、
本当にガツガツ作品を作り、ガツガツ展示をしてました。
写真新世紀の展示も入れたりすると、
東京、大阪、北海道、名古屋、京都、アメリカのピッツバーグなどで
4年間で20回以上の展示をしました。

この時に作品を作っていく上で大切な「作品の見せ方」を学んだと思っています。



■2009年 写真新世紀グランプリ受賞(蜷川実花選抜)を受賞した時に
写真に対するご自身の心境に変化はありましたか?

先ほどのインタビューから答えている通り、私は写真がやりたくて始めた訳ではなかったし、
大学を卒業したら写真以外のことを勉強しようとしてたのです。
でも写真新世紀を受賞して、多くの人に作品を見て頂けることになって、
全然知らない人達に、自分の作品や自分自身について、どうこう言われることが増えたのです。
それが凄く面白かった。

自分の写真を批判する人達、
「何であれが新世紀のグランプリなのか全然分からない。」っていう人達、
そんな人達にどうやったら自分の伝えたいことは伝わるのかな、って思うようになり、
自分のこと分からないって人達が、少しでも分かってくれるようになるまでは、
写真を続けようって思いました。
要は叩かれるのは気持ちよかったのです。ドMです。笑



■前回の写真集『沙和子』では、ポルノとアートの違いを表現したクロダさんですが、今回の作品の一番の違いを教えて下さい。

今回の作品は写真集のあとがきなどにも書いているのですが、
30歳前後の「アラサー」と呼ばれる女子が持つ、
不安とか何とも言えないセンチメンタルな気持ちをぎゅぎゅぎゅーっと詰めたのが、この作品です。

かなりネガティブな気持ちを作品にぶつけました。
なので、被写体は同じ人だし、ビジュアルも女の子のヌードなのですが、
自分の中では全く違う作品なのです。

一番と言われると難しいのですが、
前回の作品(沙和子)では見る人達の気持ちを大きく揺らしたいって気持ちが強く、
今回の作品(無償の愛)では自分の気持ちが大きく揺れたことを人に見せてたいって気持ちが強いです。

前回は自分が影響を受けたもの(道端に落ちていたエロ本)のオマージュとして、あの作品を制作しました。

「見てみて、エロいでしょ?可愛いでしょ?これがアートなんだって。複雑でしょ?」みたいな。
今回は自分の気持ちや周りの気持ちが大きく揺れているのを感じて
「見てみて、私達、今こんなに大きく揺れてるよ。センチメンタルだよ。でも皆そうでしょ?どっかに不安を抱えてるでしょ?一緒だよね。」のような感じです。
この説明で、果たして分かるでしょうか。笑

 

性や愛を題材にした作品が特徴のように思えますが、クロダさんにとってそのようなコンセプトにこだわりがありますか

私は性や愛と言うより、大きく見て人の感情について考え、作品にしたいって気持ちが強いです。
この世で一番美しくて、恐ろしくて、儚いものは人間の感情だと思うから。
ストーカーの持つ嫉妬心とか執着心とか凄いですよね。
いつかそんな強いものが作りたいです。



写真を撮っている時、モデルの沙和子さんはクロダさんにはどのように写りますか?

これは難しい質問ですね。
どのように写るということもなく、「沙和子」は「沙和子」として、ただそこにいるだけで、
その「沙和子」に対してシャッターを切るだけです。
私は「撮る」ということをそんなに大きく重要視しないタイプなので、
撮るときも撮らないときも、沙和子がそこにいるってことしか感じていません。
カメラがあってもなくても、私達の関係性は変わらないです。


■クロダさんの写真を見ると沙和子さんとの深い信頼関係が見えますね。

沙和子との撮影は初めて撮影した「沙和子」のときから、凄くやりやすかったです。
彼女との付き合いは長く、私が写真に対する姿勢や想いも理解してくれているので。



■好きな写真家さんはいらっしゃいますか?

いっぱいいて、どの作家さんを上げて良いか分からないほどです
やっぱり自分には撮れないものを撮っている人達ばかりなので、尊敬する人はいっぱいいます。
年齢が近い人ですと、森栄喜さんや梅佳代さん、山内悠さん、浅田政志さんなど...。
「絶対私にはあんな写真撮れないなー。凄いなー。」っていつも思っています。
写真が凄く好きな作家さんは、志賀理江子さん、花代さん、鈴木理策さんです。


■作品の見どころを教えて下さい。

見どころは私が決めるのではなく、見に来てくれた人達が自由に決めて下さい。笑
なので、見どころを探しに是非、見に来て下さい。
作品を見て、何か感じて下さったら、こちらとしては本当に幸せです。

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 クロダミサト写真展「沙和子 無償の愛」

6月3日(月)~6月15日(土)※新画廊での開催

平日 12時̶〜19時 / 金曜日 12時̶〜20時 /

土曜日・祝日 12時̶〜17時(日曜休廊)

【クロダミサト特別トークイベント】

■6月8日(土) 17時~
入場料1500円(1D付)
スペシャルゲスト:雨宮まみ
進行:山内宏泰

 

■写真集「沙和子 無償の愛」
3,990円
青幻舎ヴァニラ画廊にて先行発売決定‼
6月3日(月)〜会場にて販売を致します。

 

現在開催中の森茉莉生誕110年記念「甘い蜜の部屋」への素敵なコラムをよせて頂きました。ヴァニラ画廊内に展開する、ひとときだけの硝子の小部屋に思いを馳せて、お楽しみ下さい。

 

 少女達の舞踏会、或いは胡蝶の夢 (森茉莉生誕110年記念「甘い蜜の部屋」によせて)

 

 牟礼藻羅への信仰告白をするため、部屋の扉を開けると、そこには森茉莉の言霊の門があった。

  文法の瑣末な間違いなど気にも止めず原稿用紙の上を駆け抜けた筆跡が、朱色の召使いに乱れを直させながら、照れ隠しの不貞腐れた顔つきで顎をくいっとあげる。その一瞬の仕草により許しを得て、やっとモイラに捧げられた品々が飾られた場所へと通される。

 イコンのように祀られた少女、精霊の少女、生贄となった少女に辺りを威嚇する少女。周囲を気にしない少女や暇を持て余して戯れている少女。  モイラの欠片と作家の核が溶け合って、少しずつ違う味の蜜の匂いを放つ。

 モイラとは、理屈や説得力などと無縁の、限りない空白を持つ存在だ。刻一刻と表情を変えて定着することがない膨大な空白は人を惹きつける。人々はあの手この手でその空白を埋め、自分の色を付けようとする。  この部屋には彼女の刹那の表情を捕まえて献上しようとした作品から醸し出される蜜の匂いが横溢しているが、彼女自体はその密集地帯をすり抜ける。

 それこそが、モイラだからだ。

 モイラは捧げられた自分の欠片に執着せず、いつか覗かせた自分の姿が混ざった固形物を不思議そうに見つめながら、本来の蜜の塊の中に閉じこもっている。  そのモイラの核から滴り落ちる蜜を浴び、モイラの欠片と渾然一体となった少女達が好き勝手に舞い踊る。いつのまにか自分の欠片も踊り子の群れに紛れ込む。時空が歪み、複雑に絡み合い一層濃厚になった蜜を舐めながら怠惰に踊る。

 そんな様子を、四方を硝子に囲まれた上等な場所にいる森茉莉が、行きつけの喫茶店の指定席で原稿用紙に向かう時の姿勢でじいっと眺めていた。 (桐島こより)

 

 

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(山下昇平:モイラの花)

 

残り後1週間となりました。是非今展示に足をお運び下さい。

 

13/4/1 〜 4/13   第1回ヴァニラ画廊大賞展

http://www.vanilla-gallery.com/archives/2013/20130401.html

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大変たくさんの応募を頂いたヴァニラ画廊大賞。
応募作は、独自のクオリティかつユニークな作品が多く、
審査は最後まで熱論が繰り広げられ、各賞が決まりました。
今展では、賞を受賞した作品に加えて、
第一次審査通過作品もあわせて展示を行います。

  • 大賞/冷墨清志
  • 都築響一賞/伊藤乍春
  • 宮田徹也賞/野中健一
  • ヴァニラ賞/中田雛子
  • 奨励賞 よでん圭子・中田柾志・川上勉
  • 他、第一次審査通過作品・全33点

◆各賞の選評はこちら

 

エネルギー溢れる会場内!展覧会は4月13日までとなります。

春のサディスティックサーカス

~恋の温度は45℃!大人のヌーランルージュ~

 

今春、サディスティックサーカスが温泉場にやってくる!

毎年、秋に開催致しておりますサディスティックサーカスを、

今年は春にも開催致します。

こちらは秋とはちょっと違う、お座敷エンターテイメントショウです。

会場は黒湯天然温泉が自慢のヌーランドさがみ湯で開催されます。

なんと、お食事ありの飲み放題!!

湯けむりほろ酔い夢気分で素敵なショウをご覧ください。

そして、裏テーマでは婚活、恋活なんてテーマも...

皆で飲んで、踊りながら春の夜を過ごしましょう!

 

もちろんヴァニラ画廊でもチケット販売中です!

是非ご一緒にゆるりと温泉を楽しみましょう☆

 

詳細はこちら→http://www.sadistic-circus.com/index.html

 

日時2013/4月14日(日)

開場17:00開宴17:30~閉会21:30(予定)

料金16,000円(お食事付・飲み放題・お土産付)

定員70名

 

※20歳未満の方は参加できません。(要・写真付身分証明書)

撮影禁止(ビデオ・カメラの持ち込み不可)飲食の持ち込み不可

 

 

◆出演者◆

 

総合司会/フィルム上映

山田広野

自作自演活弁映画監督。1998 年より自らが撮影した映画に活弁を付けるという独自のスタイルで上映活動を開始。新宿ロフトプラスワンにおけるリリー・フランキー氏主催イベントにて頭角を現わし、 以後様々な上映イベン トにて数多くの作品を制作・発表。雑誌連載、テレビ・ラジオ出演、ミュージッククリップ制作等様々な方面で活躍中。

 

見世物小屋少女歌劇団

デリシャスウィートス

デリシャスウィートスとは1998年から始まった痺れる生演奏で唱う*踊る*寸劇*
おきゃんな女たちの夢膨らむショウ一座
子供から大人まですごい人気です
主な活動場所は、お祭り、広場、温泉お座敷、キャバレー、ライヴハウスなど。
ファッション、生演奏、唄、躍り、いんちきマジックショウなどという
様々な要素が詰まった独特のステーヂを繰り広げる
いかれポンチ!若者の衝撃運動!ここに満天の心あり!
サイケでパンチで陽気です*

 

落語

三遊亭司

落語家。日本舞踊(坂東流)と小唄が趣味であり、季節感溢れる落語を心がけている、2008年には高座活動10周年を迎えた。大胆さと繊細さを併せ持つ城南地区ナンバー1の親分肌の若手勝負師。多彩な噺を武器に展開に応じてなんでもこなすが、得意は色恋噺!春の陽気と共に三遊亭司の落語が響き渡る。

 

温泉切腹

早乙女宏美

1984年にっかつロマンポルノデビュー。 以後映画、演劇、パフォーマンス、著述と活動を展開させる。 サディステックサーカスでは毎回、卒倒者を出すほど迫真に迫るパフォーマンスを演じている。 2012年6月ヴァニラ画廊より、切腹オマージュ写真集「匂う蓮」を発売。 現在はフェティッシュバー「ブラックハート」のママである。

 

温泉舞踏

結美奈子

2005年にダンサーとしてデビューする。
日本全国津々浦々、大好きなステージを楽しみながら、
皆さまの心を癒す踊りを目指し活動を続けている。

 

地下アイドル

BBG48(分倍河原48)

最も凶暴かつ倒錯的なミュージカル集団として活動を続けるゴキブリコンビナート。そこに所属する頭のネジが数本飛んだような女優陣がアングラ演劇活動と並行してアイドル歌手も目指したいという野望を抱き、結成されたガールズグループ。国民的アイドルである A○B48に対抗して「向こうが秋葉原ならこちらは分倍河原よ」ということでBBG48と命名され、都内ライブハウスに出没し始める。 A○Bよりちょっぴり下品でダーティーかも知れない。

 

 

 

 

 

ニューヨークで活躍する写真家、リーランド・ボブの日本初の写真展。
彼の有名な2シリーズをヴァニラ画廊にて同時展示を行います。

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Neo-Burlesque」シリーズ
ショービジネス界で活躍するフェティッシュでビザールな姿の人々を撮った、この美しいポートレートは、典型的なスタジオ設定の下でモデルの創造性とけばけ ばしさを完璧に捕らえており、2011年春にニューヨーク市のThe Museum of Sexにおいて展示が行われました。

Half-Drag」シリーズ
リーランドの新作シリーズ。有名ドラァグクィーンに、顔半分のみのドラァグメークを施すことで、メークをした男性に対する独自の観点を提供する一方で、性 自認、性役割に関する規範的考え方、伝統的な男性・女性の枠組に対する挑発的な社会批評を展開している有名なシリーズです。

リーランドの作品は、実際に写っている内容よりも多くのことを私たちに問いかけます。
彼の写真のイメージは、私たちが見ている世界の視覚的表面を掘り下げ、その下に隠れている領域を垣間見せてくれるのです。それは表面にぽっかり開いた割れ目であり、そこから対象の心の奥深く、内面を伺うことを可能とさせるでしょう。

作家プロフィール
ニューヨーク出身のリーランド・ボブは、プロの写真家として30年以上にわたり活躍している。彼の作品は商業と芸術の両分野に及んでおり、全米のギャラ リーで展示が行われるとともに、多くのアドバタイジングにそのイメージが活用されている。スティーブ・パイク、 ギャリー・ウィノグランド、リチャード・アヴェドン、ハリー・キャラハンら写真家、マーク・ロスコ、エドワード・ホッパーら画家のファンであるが、最大の 影響はそれ以外のところから受けたと述べている:「私は、ロックンロール、マイルス・デイヴィス、名作映画などによって刺激された心の状態から大きな影響 を受けました。私の作品は大胆さと単純さで満ちています。ポートレートの対象は様々ですが、作品は常に同じ方向に向いており、そこに自分の性格が反映され ているのだと思います。写真を撮る際に少し緊張したり、落ち着かなかったりした時のものが、良い作品となることが多いようです。」

彼の作品は、The Graphis Photography Annual 2010および2011One LifeCommunication ArtsArt Direction MagazineCreativityPhoto District NewsPopular Photographyなどに掲載されており、Camera 35およびPeterson's Photographicのカバーも飾っている。

受賞歴
Graphis 100 Best in Photography 2011
World Photography Gala Awards B&W Competition
Street Photography 2011
1
Graphis Photography Annual 2010
Px3 prix de le Photographie Paris
People's Choice 2010
1,
Black and White Spider Awards Honor of Distinction 2009
 等

 

ヴァニラ画廊では、ヴァレンタインの特別企画として、濃厚なチョコレートの様にエロティックであり、ロマンティックな作品を制作する女性作家2名のコラボレーション展示を行います。
2012
年にヴァニラ画廊にて、日本初の個展を開催したナタリー・ショウ、彼女の創り出す作品は、甘い蜜が滴るような悪夢的幻想が濃縮したおとぎ話。今展示では「Inside a Dream」と題して、新作も多数展示致します。
また、2007年・2009年と2011年にも展示を行ったカレン・サイアは新作写真シリーズ「Black Cherries」を初お披露目!!
展示作品のフェティッシュな衣装を担当した氏の作品も同時に展示致します。
この稀有な2人の女性作家がヴァレンタインに贈る、最高にクリエイティブで甘い媚薬のような作品群を是非お見逃しなく!!

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Natalie Shau

ナタリーショウ展【Inside a Dream

リトアニア(ビリニュス)出身。

幼少時よりゴシックホラーや童話、ロシアの古典(ドストエフスキーやゴーゴリ)、そして宗教的な彫像に影響 を受けたナタリーのスタイルは、奇怪で不気味で ありながら、甘く密滴るような悪夢的幻想を、デジタルメディアを駆使し作品へと昇華します。 その創造力溢れる世界観は、アメリカ・フランスなど世界各国で注目され、フランスのヴォーグ誌やIsland Def Jam Ogilvy & Mather Sony BMG、等、音楽レーベルでも活躍しています。2011年にヴァニラ画廊にて日本初個展開催。

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Karen Hsiao

カレン・サイア展【Black Cherries
(特別出展・衣装デザイン:Christoper

アメリカ・ロサンゼルス生まれ。
パサデナのArt Center college of Designsを卒業後、フォトグラファーとなる。
現在カリフォルニア在住。フェティッシュ/呪術的ともいえる素材を用いた写真にアンティークな要素を吹き込んだ作風が持ち味の現代写真アーティスト。 Louis Fleischauerの作品とのコラボレーション写真作品"Bloodletting""Invocation of Desires"シリーズがある。20107月には最初の写真集「Rubber Duck」を発売。

 

たま個展「Lost Garden

 

 幼い頃、その眼に見えて、そして遊んでいたのは正しくその庭だった。

なぜだろうか、ある時から植物達に水を与えることを止め、一緒に遊んでいたモノ達を無視し、立ち入ることさえも無くなった園は綻びだし、その庭の事も今ではすっかり忘れてしまった

 

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たまの個展「Lost Garden」に出品された新作の中では、ますます冴え渡る筆先から紡がれる物語の数々が繰り広げられている。

 

そっと気持ちを穏やかにしてくれるような、優しく、しかし繊細に施されたぼかしとにじみによって彩られた極彩色の作品である。

 

互いの四肢に噛み付いては血を流し、物言わぬ植物や動物たち虫たちと戯れ、過剰すぎるメルヘンとロマンティックなエロティシズムに芯まで身を浸して、陶酔し、傷を負った事。

失ってしまった庭で遊んでいた時の、あの記憶が蘇る。

 

そのモチーフと描き方によって、「グロテスクで毒のある」表現と評される事が多いたまの作品群だが、新作展を見るにつれ、果たしてそれは的確だろうかという思いが強くなる。夢中になって遊んだあの庭の事を当事者はそうは思わない。

 

むしろ憧憬と懐かしさが混じり合う、本当に「居心地の良かった」楽園として、私たちを惹きつけているのではないだろうか。

その場所を、そしてその遊びを、破綻することのない彩色で詳細一つ一つまで的確に、そして淀みなく描き出す。その事は、同じ庭で遊んだという甘美な記憶の共感者として優しく包み込み、肯定をしてくれているかのようだ。そこはかつて私の魂が居た場所であったと。

そして、その魂の名こそが、たまの掲げる「少女主義」なのかもしれない。

 

少女主義的魂の持ち主の皆様(性別・年齢問わず!)、たまの育てたこの記憶の庭に是非足をお運び下さい。展覧会は今週末1()まで。

 

ヴァニラ画廊

田口

 

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この度は弊画廊が開催致しますヴァニラ画廊大賞http://www.vanilla-gallery.com/award/index.html
についてのご案内です。
エロティック・フェティッシュ・サブカルチャーのアートに特化した、ヴァニラ画廊ならではの作品の応募をお待ちしております。

【ヴァニラ画廊大賞】
アートとは何か!
この根源的な問いに答えはありません。応募規定に沿う作品であれば、表現内容はまったく自由。
ヴァニラ画廊ならではの、ジャンルを乗り越え審査員を驚愕せしめる問題作の応募を期待しています。

主催
ヴァニラ画廊
http://www.vanilla-gallery.com/index.html

応募期間
2012
101日~1031

応募規定
オリジナル作品を創作する個人またはグループ。国籍・年齢及びプロ・アマを問いません。

作品の範囲
表現の内容・技法はすべて自由です。
作品の大きさは、平面(40号・約100×81cm)、軸作品(約100×180cm)、
立体作品(高180cm×100cm×奥行100cm)の範囲におさまるように考えてください。
他の公募展で入賞した作品、すでに商品化された作品は応募できません。

応募方法
「応募用紙」を公式HPよりダウンロードして、必要事項を全て記入してください。

応募料と一緒に現金書留でお送りくださるか、画廊まで直接お持ちください。
ダウンロードできない方は、80円切手を同封のうえ応募用紙をご請求ください。
応募用紙は、ヴァニラ画廊でもご用意しております。

1次審査/20121031日までに作品の紙焼き写真(画素数350400dpi・サイズA4)
と応募用紙にプロフィールを記入し郵送してください。映像作品のみDVDを添付することができます。
応募書類および作品写真は返却致しません。
2次審査/第1次審査を通過した作家は、作品を指定場所に搬入(郵送可)してください。

応募締め切り
1次審査/写真選考締切20121031日(当日消印有効)
2次審査/作品選考締切20121130日(第1次審査通過者のみ、11/1520の間に直接連絡します。)

応募料
応募点数は13点まで。応募料は1点につき3.000円です。
応募に関する一切の費用は応募者の負担となります。作品の搬出入に要する費用等も応募者の負担です。

審査
審査は厳正に行いますが、審査結果、入落選の理由等のお問い合わせには応じられません。

審査員
都築響一:写真家
宮田徹也:日本近代美術思想史研究
内藤巽:ヴァニラ画廊
大賞/1名(作品1点を買い上げのうえ、ヴァニラ画廊で個展開催。)
都築響一賞/1名(ヴァニラ画廊でグループ展開催。)
宮田徹也賞/1名(ヴァニラ画廊でグループ展開催。)
ヴァニラ賞/1名(ヴァニラ画廊でグループ展開催。)

応募作品の取り扱い
作品の著作権は応募者に帰属しますが、主催者が行う作品の撮影、印刷及び広報に関する写真、
作品の情報提供についてはそれを許諾することを条件とします。
応募作品の取り扱いには万全を期しますが、万一破損した場合には、主催者は責任を負いません。

<
事務局 >
ヴァニラ画廊 大賞係
104-0061 東京都中央区銀座6-10-102蒲田ビル4
TEL
FAX: 03-5568-1233
http://www.vanilla-gallery.com/award/index.html
*
お問い合せは、公式HP内メールフォームよりお願いします。  http://www.vanilla-gallery.com/award/index.html

 

 ヴァニラ画廊では2月21日から3月5日迄、たま展「epitaph~少女主義的水彩画展」を行います。 

■たま展「epitaph~少女主義的水彩画展」

■2月21日~3月5日

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少女主義的的水彩画家たまの原画展 '10年12月に発売されたばかりの最新画集『リドカイン★ドロップ』収録の作品を中心に、今回初披露の新作も加えた数十点を一挙公開、販売致します。

水彩絵具によって暴かれた不気味キュートな乙女世界へ、あなたもどうぞご一緒に・・・

【たまプロフィール】 1977年福井県生まれ。大阪在住。

大阪芸術大学芸術学部美術学科卒業。

透明水彩絵具ひとすじに、独自の乙女世界を展開中。

 

◆画集:最新画集【リドカイン★ドロップ-少女主義的水彩画集Ⅱ-】(*発行/アトリエサード *発売/書苑新社)

会場にて販売を致します。

【under the Rose -少女主義的水彩画集-】(*発行/アトリエサード *発売/書苑新社)

【飴色ロマンス -少女主義的水彩絵詞集-】(*発売/青心社)

 

◆個展:2004年 【赤い爪】(大阪 ガレリア・セロ)

2005年 【alkaloid アルカロイド】(福井 Gecko Cafe)

2006年 【蜜編み】(福井 Gecko Cafe)

2007年 【Animalism】(大阪 ARTHOUSE)

2008年 【Rosary】(銀座 ヴァニラ画廊)

2009年 【Gallows】(銀座 ヴァニラ画廊)

 

◆活動:「オルタナティブ・ゴシック」(2010年 銀座 ヴァニラ画廊)

『私の龍馬』イラスト展 IN ハウステンボス(2010年 只今全国を巡回中。)

「少女幻想奇譚ーその存在に関するオマージュー」(2009年 渋谷 Bunkamura Gallery)

月刊ファッション誌「KERA ケラ!」 占いコーナーイラスト担当(2008年~2010年2月)

「ゴシック&ロリータバイブル オフィシャル携帯サイト」にて、画像配信中

その他・・・デザインフェスタ等のアートイベント、グループ展に随時参加

 

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少女の毒は何よりも甘く甘くそして毒々しいものです。

そんなキュートな毒気をたっぷりお楽しみあれ!

 

皆様のお越しをお待ちしております。

「…今をも知れぬこのいわが、死ねば必ずその娘、祝言させるのはすぐのこと。

一途に恨めしいのは伊右衛門どの。

喜兵衛一家の者どもも、どうして無事にいられるか。

思えば、思えば、ええ、恨めしい。…」

(『東海道四谷怪談』)

 

 日本人は「幽霊」が大好きだ。 

    私などは「幽霊」というと冒頭にあげた歌舞伎『東海道四谷怪談』の一場面をきっと思い出すが(ごっそり抜けた自分の毛髪を掴んで、爛れた顔を怒りに震わせるあのお岩さんの姿は実に恐ろしくて魅力的である)、皿屋敷のお菊さんもいるし、上田秋成の『雨月物語』に収録された『吉備津の釜』の磯良などもいるだろう。歌舞伎や文学のみにあらず、能楽の演目には様々な幽霊が出てくるし、最近で言えばやはり映画『リング』の貞子だろうか。かように例を挙げればきりがない程に、「幽霊」達は古くから現在に至るまで日本の文化・風俗と結びついてきた存在である。

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 幽霊を題材とする芸術は室町時代頃から登場してきたと言われるが、そこに見出だされる魅力とは、生の限界をも超える情念の強さだろう。人間は基本的に物質を伴う世界に生きているから、死んでしまえばそれでお終いだ。しかし幽霊の存在はそれを超えるものである。たとえ肉体は失せても、情念は爛々と燃えて確かに存在し続け「恨めしや」と化けて出るのだ。そしてそれ程までに執着しなければならなかった恨み辛みや未練はいつもどこかもの哀しい。

 だが身も蓋もないことを言ってしまえば、実際のところ死者がその様な未練や思いを感じているのか、それは定かなことではない。意外とケロリと忘れているかも知れない。つまるところ、それは残された者達の推測でしかない。

 しかしそれこそが幽霊の本質であるのではないだろうか。残された我々はひたすらに想像するのだ。さぞかし辛かっただろう、未練であろう、悔しかったであろう…。その想像が膨れ上がった時、形を得て、気配を持って現れるのが幽霊である。妻を疎んじ、謀って毒殺した伊右衛門の心の内に蟠(わだかま)った良心の呵責や恐怖の化身こそがお岩さんの原型ということである。そしてその幽霊の存在はまことしやかに物語や噂話として語り継がれ、多くの人々に伝播し、共有される存在となるのだ。

 私達が名も知らぬ死者達は、生きる者の妄執と情念を投影されて、死後なお「幽霊」として生き続ける。恨みつらみを背負い、あるいは火炎のような怒りを募らせ、時には超然たる微笑みを浮かべ、我々生きている人間を圧倒させるような生命力と存在感を持って此岸と彼岸を繋ぐ。

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 江戸時代にはかの有名な円山応挙の作品をはじめ、多くの幽霊画が描かれている。また今回ヴァニラ画廊に集った幽霊達も、その幽霊画の系譜に続く者達である。

 哀しい風情の幽霊や神々しい威厳さえ感じさせる幽霊、じっとりとこちらを見つめる幽霊、額から飛び出さん程の勢いに溢れた幽霊…一口に「幽霊」といっても、実に様々な表現の仕方がある。情念の儘にたゆたう幽霊は、肉体を離れている分、より自由にその姿を想像することが出来るのかも知れない。

 寂寞たる空間の中にひっそりと浮かび上がる幽霊達の姿をどうぞじっくりお楽しみ頂きたい。それはあの世とこの世の曖昧な境目に漂う、異形の情念の姿である。

 作品をじっくり鑑賞していると、視界の隅に、背後に、ふと気配を感じるかも知れない。それは貴方の単なる思い込みだろうか?それとも―

 

 世にも怪異な魂の邂逅、貴方は何に出会うだろうか

 

 

(画廊スタッフ:伊藤)

 

参考文献

辻惟雄 『幽霊名画集』筑摩書房 2008年

杉山誠 『歌舞伎、浄瑠璃集』河出書房新社1973年

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